ものづくり補助金とは?
2021.11.19 更新日:2024.02.28
- 補助金
ものづくり補助金とは、中小企業や小規模事業者等による経営革新のための設備投資等を支援する国からの補助制度です。
3Dプリンターの導入を含めた事業計画などで採択された事例も多くあるため、「3Dプリンターを活用した革新的な生産プロセス改善を行いたい」「3Dプリンターでこれまでにない新サービスを展開していきたい」とお考えの方も、対象となり得る制度となっています。
ここでは、ものづくり補助金の基本情報や、申請方法などをご紹介していきます。
ものづくり補助金とは
ものづくり補助金とは正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」と言い、その名の通り、中小企業庁と独立行政法人中小企業基盤整備機構が、ものづくりや商業、サービス生産性向上の促進を補助する制度です。
中小企業による新商品や新サービスの開発、もしくは新たな生産方式や提供方式の導入といった、経営革新のための設備投資等に交付される補助金になっています。
名称が「ものづくり補助金」であるため、製造業しか受給できないと勘違いされる方もいらっしゃいますが、新しいサービスや生産性向上に取り組む目的であれば、製造業以外の業種でも申請することが可能です。
ものづくり補助金の種類
「ものづくり補助金」と一口に言っても、実は種類が複数存在します。
以下では主要な「一般型」「グローバル展開型」「ビジネスモデル構築型」を解説いたしますが、例えば2020年度からは「特別枠」として新型コロナウイルス対応のため、ビジネスモデル転換に向けた前向きな投資を支援する枠も新設されました。
一般型
一般型とは、革新的なサービスの開発、その生産方法やサービスの提供方法の改善につながる設備投資を補助するものです。ここで言う「革新的」とは、業界や商圏で一般的ではない取り組みのことを指しています。
具体的な事例としては、「オンライン用プログラミング教材を用いた非対面型授業の提供」などが挙げられるでしょう。
グローバル展開型
グローバル展開型とは、中小企業・小規模事業者などが海外事業の拡大および強化を目的として行う革新的サービスなどの開発、もしくは生産プロセス改善のための設備投資等を補助するものです。
グローバル展開型には4つの類型が設けられています。
1類型:海外直接投資
国内の本社と海外支店、もしくは海外子会社に投資を行うことで、グローバルな製品およびサービスの開発・提供体制を構築し、国内拠点の生産性を高めることが目的となります。すでに海外拠点を持つ企業が対象です。
2類型:海外市場開拓型
国内拠点での海外向け製品の開発などによって、海外市場開拓を目的とするものを指します。
3類型:インバウンド市場開拓型
日本に訪れている外国人客に対する市場開拓です。例えば、東京オリンピックなどによるインバウンド需要の獲得を目的とする場合などがそれにあたります。
4類型:海外事業者との共同事業型
海外法人との共同研究・協働事業開発のための設備投資がこれにあたります。
ビジネスモデル構築型
ビジネスモデル構築型とは、30社以上の中小企業に対し、革新性や拡張性、持続性などを持つビジネスモデル構築や事業計画策定を支援するプログラムの開発・提供を目的とした補助です。
プログラムの実施主体である法人は、情報システムの構築や設備の共同使用、ワークショップ開催といった自立可能な支援プログラム提供を行います。
主要な申請要件
ものづくり補助金を申請するためには、これからご紹介する申請要件を満たしている必要があります。
自社が該当するか、ぜひ確認してみてください。
すでに創業していること
ものづくり補助金を申請するためには、申請の段階ですでに創業している場合でないと受け付けられません。
個人事業主である場合は、税務署に開業届け出済みの方、法人である場合は、すでに設立されている会社が対象となります。
資本金・従業員数
また、資本金の額や常時雇用している従業員の人数に制限があり、その制約内しか対象になりません。
具体的には、中小企業の場合は資本金3億円以下、常勤従業員300名以下(大企業からの出資を得ている場合など、除外される場合あり)である必要があり、小規模事業者の場合は常勤従業員20名以下である必要があります。
賃金引上げ計画の表明
ものづくり補助金を申請するには、付加価値額・賃金引上げ要件を満たす3年~5年の事業計画を策定し、従業員に表明していることも条件に挙げられます。
この条件には、要件が3つ存在します。
一つ目は、付加価値額の年率平均3%以上の増加。付加価値額は、営業利益と人件費、減価償却費を足したものを指します。
二つ目は、給与支給総額の年率平均1.5%以上の増加です。給与支給総額には、給料や賞与などの賃金、残業手当や住宅手当などの各種手当、役員報酬などが含まれます。一方、福利厚生費や法定福利費、退職金といった給与所得に含まれないものは除きます。算定の対象となるのは、非常勤を含む全従業員と全役員であることも覚えておきましょう。
三つ目は、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準とすることです。
二つ目と三つ目の賃金引上げについては、指定された様式の表明書を作成し、従業員代表者などが押印を行う必要があります。
補助金額や補助率について
ものづくり補助金の補助金額や補助率は、以下のようになっています。
一般型
補助上限額は1,000万円で、中小企業の補助率は1/2、小規模企業の補助率は2/3です。上限は1,000万円ですが、100万円~補助を受けることができます。
グローバル展開型
補助上限額は3,000万円で、中小企業の補助率は一般型同様1/2、小規模企業の補助率も一般型同様に2/3です。こちらも上限額は3,000万円ですが、1,000万円~補助を受けることが可能です。
ビジネスモデル構築型
補助上限額は1億円で、補助率は10/10で定額となっています。最低で100万円~の補助を受けることができ、補助金額の幅がもっとも広くなっています。
補助対象経費
ものづくり補助金は、本事業の対象として明確に区分できるものである必要があります。
具体的には、
- 機械装置・システム構築費
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 原材料費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
などが該当します。
※特別枠の場合は上記に加えて「広告宣伝費・販売促進費」が該当します。
申請に必要な書類
ものづくり補助金を申請するためには、以下の書類を用意する必要があります。申請を検討中の方は、漏れなく準備するようにしてください。
- 事業計画書
- 賃金引上げ計画の表明書
- 直近2年間の貸借対照表・損益計算書等
- 審査における加点を希望する場合は追加書類が必要
「事業計画書」「賃金引上げ計画の表明書」については、経営革新により以下の①~③の要件をすべて満たす3年~5年の事業計画を策定し、従業員に表明していることが必須となります。
- 付加価値額+3%
- 給付支給総額+1.5%以上/年
- 事業場最低賃金>地域最低賃金+30円以上
申請の手順
ものづくり補助金の申請方法は、それほど難しいものではありません。
まず、認定支援機関のサポートを受けながら事業計画書を作成し、ものづくり補助金事務局の専用サイトから電子申請します。(※)
その後、事務局にて審査が行われ、採択・不採択の結果通知が行われますが、採択された場合は補助事業を実施し、実施内容を補助金事務局に報告、晴れて補助金受給、といった流れです。
ただし、補助金受給後も5年間は継続事業状況の報告を行う必要があるため、覚えておきましょう。
※参照:電子申請|ものづくり補助金総合サイト
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