3Dプリンターの活用例
2021.05.31 更新日:2024.03.05
- 3Dプリンター
主に製造業の現場などで導入される例が増えてきた3Dプリンター。
精巧な造形を自動で行えることから、活用の場も幅広いです。
趣味の物を造形するなど、一般家庭での3Dプリンター導入の例もあります。
3Dプリンターのさまざまな活用の機会を知れば、3Dプリンターの意義をより感じることができるでしょう。
また、3Dプリンターの導入で迷われている方も、導入の決め手を得られるかもしれません。
そこで今回は、どういった場面で3Dプリンターが活用されているのかを、いくつか例を挙げてご紹介していこうと思います。
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さまざまなシーンで3Dプリンターが活用されている
昨今ではさまざまなシーンで3Dプリンターが活用されています。
主に製造業での台頭は著しく、生産ツールの多機能化を図り、作業品質および生産効率の改善が期待されているのです。
また、企業だけではなく一般家庭で3Dプリンターを導入するケースも見受けられ、日用品や趣味の物などを造形し、生活や趣味の時間を充実させる人も増えてきています。
このように、さまざまなシーンで活用されている3Dプリンターですが、まだまだ活用領域は広いです。
次の項目からは、3Dプリンターの具体的な活用例をご紹介します。
試作品づくり
3Dプリンターの活用と言えば、製品の試作品作りが代表的でしょう。
従来、大手メーカーでは大量生産を前提とした開発が当たり前でしたが、昨今では多品種少量、もしくは多品種多変量生産が求められており、小規模でスピーディーに試作を行い、試作を繰り返して早期に製品を市場に出すことが一般的になりつつあるのです。
試作を繰り返して使いやすさを追求
3Dプリンターは、データさえ完成してしまえば、手間いらずで造形することができます。
造形した製品の使い心地を試し、データに微調整を加えて再度造形をすることで、手軽に試作を繰り返し、品質改良を行うことができるのです。
もし3Dプリンターが複数台あるのであれば、同時に違うデータを出力すれば、作業効率も上がります。
微妙に変化を加えたデータで複数製品を造形すれば、よりスピーディーに理想の製品にたどり着くことができるでしょう。
試作を通して議論に深みを
例えば、細かなディティール検討が困難な製品開発を行う場合、3DCGのレンダリングイメージだけでは、開発者間で持つイメージに差異が生まれる可能性が大いにあります。
そこで3Dプリンターを活用して実際に製品の試作品を造形することによって、開発者は「実際に触った感覚」を通じて関係者間でのイメージ共有が加速し、「ここはこうしよう」「ここはこうしたほうが利便性が高くなる」など、議論に深みが増す可能性があるのです。
生産の効率化
3Dプリンターは、生産の効率化にも活用できるツールとして有名です。
部品ごとの造形ではなく、一体構造物のダイレクト造形などが可能で、作業効率をアップさせることに長けています。
製造コストやタイムロスの削減
3Dプリンターを活用するニーズとして、小ロットの部品や、最終製品を型なしでダイレクトに製造することで、製造コストを大幅に削減する、といったことが挙げられます。
3Dプリンターでは複雑な3次元構造を造形でき、組み立て不要の一体構造物を造形できる特性を生かし、「組み立てる」という、物によっては大幅な時間ロスに繋がる懸念を払拭してくれるのです。
量産前の型づくり
主に製造業では、本製品の量産前に、試作品の型を射出成型で作成することがあります。
射出成型での試作品づくりは3Dプリンターで代用することもでき、「試作を繰り返して使いやすさを追求」に共通する点がありますが、3Dプリンターで試作品の型を用意することで、これまで何週間もかかっていた型づくりを、数時間~1日程度に短縮することができるようになるのです。
製造業での治具づくり
3Dプリンターは、製造現場における治具の製作も活用例として一般的です。
治具は目的や用途に合わせて異なり、時には「ある部品の製造のために一度しか使わない治具」というのも存在します。
そのため、時間やコストがかかる製造方法を導入しづらく、時間もコストも最低限で済む3Dプリンターがここで活躍するのです。
治具製作の内製化
多品種少量生産を求められることが多くなった昨今、製造業においては治具製作を内製化することで作業効率・生産効率を上げる例が増えています。
複雑な形状であっても、たとえ一度しか使わない部品であっても、3Dプリンターであればデータさえ用意できれば単品製造も可能なので、大ロットでの受け付けが多い外部に委託するよりも、3Dプリンターを用いた内製にすることで、製造工程の改善を図ることができるのです。
ただし、基本的に3Dプリンターは複雑な造形も得意としていますが、機器によって対応範囲は異なります。
導入する機器にもよりますが、簡易治具製作は内製にし、かなり複雑な形状の治具作製は3Dプリンター業者の「3Dプリンター出力サービス」などを利用する手も選択肢のひとつです。
金属加工のための治具造形
金属素材に対応している3Dプリンターも存在しますが、機器によって強みが異なるため、造形方式に合わせたデザインや設定方法を認識しておかなければ、失敗の連続、ということになりかねません。
そこで、金属部品を金属3Dプリンターで造形するのではなく、樹脂3Dプリンターで「金属を加工するための治具」を造形するのです。
複雑な形状の造形が目的であれば金属3Dプリンターの導入を考えなければいけませんが、例えば「鉄板をV字にしたい」などの簡単な加工であれば、谷型と山型の簡単な造形の組み合わせで、「金属を加工するためのプレス型」を3Dプリンターで造形することができるのです
文化財の保護
3Dプリンターでは、文化財の保護を行うことも可能。
貴重な文化財を3Dスキャナーでデータ化し、場合によってはそのデータからレプリカを造るといった取り組みなどが挙げられます。
貴重な文化物を3Dデータ化して保存
例えば、貴重な仏像を高精度3Dスキャンし、専門家などの指導のもと、欠損部分を3Dモデリングツールでデジタル復元を行います。
完成したデータをデジタル・アーカイブとして保管しておけば、必要な時にいつでも3Dプリンターで造形することが可能です。
もちろん、しかるべき関係者間での話になりますが、3Dデータであれば転送も容易で、好きな時に好きな場所で文化財のデータを閲覧できます。
レプリカを造形して自由に触れる展示へ
また、スキャンした3Dデータを用いれば、レプリカを造形することも可能です。
レプリカを造形することで、本来ならば触れることのできない貴重な文化財に自由に触れることもできるように。
インターネットを経由して遠隔地にデータを転送し、そこでレプリカを造形することも容易です。
ただし、3Dプリンターで造形されたレプリカは基本的に白色(単色)であるため、形状は転写できても、色調や風合いなどの見た目は実物と異なってしまいますが、専門家が実物を見ながら着色をし、風合いを再現した例もあります。
個人で楽しむ
3Dプリンターでの造形は、もちろん、個人で楽しむこともできます。
最近では一般家庭に3Dプリンターを導入する例も増えてきており、自分の好きな物を自由に造形し楽しむ使い方も徐々にメジャーになってきているのです。
日用品や趣味の物を造る
3Dプリンターでは複雑な造形が可能です。
例えば、中が空洞になっていて、先端には無数の穴があいているじょうろなどを造形することもできます。
素材選びを的確に行えば、サンダルなどのある程度収縮性が必要な物まで造形することも可能。
また、最近では自分の好きなキャラクターのデータを自分で製作し、3Dプリンターで出力してフィギュアなどを造形する例も多いです。
既存のフィギュアのポージングが好みではない、そもそもフィギュアが発売されていない、といった時に、3Dプリンターを用いて自分好みの物を造ろう、という考えに至るマニアの方も少なくありません。
3Dプリンターの需要は、企業はもちろん、一般家庭でも広がりを見せています。
3Dプリンターの導入であれば日本3Dプリンター株式会社にご相談ください!
3Dプリンターは、機器や使用する素材によって、造形物の質感などに変化が出ます。
さまざまなシーンで活用できる3Dプリンターだからこそ、そのシーンに合った機器を選択する必要があるでしょう。
ただし、多種の3Dプリンターから、自身の用途に最適な機器を探し出すのは困難な場合も多いはず。
日本3Dプリンター株式会社では、3Dプリンターの導入を検討されているお客様のニーズや課題に応じて、必要なソリューションをトータルでご提案いたします。
例えば、3DCADソフトなど、3Dプリンター用のデータ作成に必要なソフトウェアの選定や、3Dスキャンを利用したデータの再設計も、当社で行うことが可能です。
さらに、導入後のアフターサポートも充実。
3Dプリンターの不具合だけでなく、データ作成などの技術的なサポートも行います。
データ作成、3Dスキャニング、3Dプリンティングの専門スタッフが多く在籍している日本3Dプリンター株式会社ならではのサポートです。
「こうした用途で3Dプリンターを導入したい」とご相談いただければ、お客様に最適な機器や素材をご提案いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。