日本3Dプリンター株式会社

コラム

失敗しないための3Dプリンターの選び方を徹底解説

2020.12.11

昨今、3Dプリンターの進化はめざましいと言っても過言ではありません。様々なメーカーが様々な機能を搭載した機器を開発していることがその証拠です。結果として、技術を競い合いながら各社の成長に結びついているはず。

そもそも3Dプリンターは、コストをかけずに多種多様なものを造形することを可能にしたもので、企業向けのみならず家庭用にも販売されています。小型の3Dプリンターさえあれば、趣味の幅が広がったり、オリジナルグッズを作ることも可能です。

ただどんな種類の製品でも選び方があるように、3Dプリンターにも選び方があります。そのため、自身の希望や要望にマッチしないものを選ばないようにするためにも、選び方は覚えておくべきです。そこで今回は、3Dプリンターの選び方について詳しく解説します。

基本的な3Dプリンターの選び方

基本的に3Dプリンターは「造形方式」「材質」「造形サイズ」「機能性」「価格帯」といった5つの面を踏まえ比較し、それらを統合した中で最も自分にマッチしたものを選びます。

それぞれの面で、どのような点に着目するべきなのかを知っておくと3Dプリンター選びに困ることも失敗することもなくなるはずです。まずは各方面に沿った選び方を把握していきましょう。

造形方式で選ぶ

「造形方式」とは、どのような方法で設計図に描いたものを造形物にしていくかということです。基本的に3Dプリンターには、「熱溶解積層方式」「光造形方式」「粉末焼結方式」「インクジェット方式」「粉末積層方式」といった5つの方式があり、造形方式によって使える材料や完成する造形物が異なります。造形方式の違いを理解しておくと、造形にかかるコストや時間を比較できるようになるので、以下の内容をしっかり覚えておきましょう。

熱溶解積層方式(FDM法)

「熱溶解積層方式」とは、「FDM(Fused Deposition Modeling)法」とも呼ばれている造形方式です。この方式の特徴は、家庭用でも業務用でも使われているという点にあります。熱に溶けやすい樹脂を溶かし一層ずつ積み上げて造形していく方法で、熱で溶けた樹脂自体はすぐに冷えて固まる性質を持っています。

したがって家庭用で用いても火傷の危険性が少なく扱いやすいのです。業務用としても、本製品の試作や治具、簡易造形の際によく用いられています。デメリットとしては、樹脂を溶かして積み上げていくことによって、断層が目立ちやすくなるという点が挙げられます。

断層が目立ってしまうと、表面の滑らかさが求められる造形物になりにくく、そういった作品を作りたい人には不向きかもしれません。

光造形方式(SLA・DLP)

「光造形方式」は数ある3Dプリンターの造形方式の中で、最初に実用化されたものです。

そのメカニズムとしては、使用する樹脂が熱溶解式ではなく光で硬化する性質の樹脂を素材として使用する形になります。紫外線レーザーによってもともと液体状である光硬化性の樹脂を、一層ずつ硬化させて積層していき造形するため、熱溶解積層方式より精細で滑らかな造形物を作成することが可能です。

ただ熱溶解積層方式よりも樹脂自体のコストが高いのがデメリットになります。
家庭用として用いられるのは、主にこれら「熱溶解積層方式」と「光造形方式」です。

粉末焼結方式(SLS法)

「粉末焼結方式」は、もともと粉末状だった素材をレーザー光線で焼結させる造形方式のことを指します。メカニズムとしては、粉末を1度焼結させたらステージを下げ、モデルが完成するまで繰り返し行うのが特徴です。その結果、耐久性のある造形物を製作可能になります。金属の素材も「粉末焼結方式」であれば使用可能なので、鋳型の製造に用いられることが多い傾向にあります。

インクジェット方式

「インクジェット方式」は普段使っているプリンターとは異なり、液状の紫外線硬化樹脂を噴射して、それを紫外線などの「インクジェット方式」特有の紫外線で照らすことにより硬化・積層させる方法です。

この方式における最大のメリットは、積層ピッチが「熱溶解積層方式」よりも薄くすることができ、その結果より細かく滑らかな造形物を造り上げることが可能な点にあります。そのため、細かいデティールを特徴としている造形物を造りたい場合は、この「インクジェット方式」がおすすめです。

粉末積層方式

「粉末積層方式」に使われる樹脂は、「石膏」「でんぷん」といったなどの安価な素材がメインであり、これらを接着しうつ造形する方法です。メリットとしては、やはり材料にかかるコストがどの方式よりも安価であること、また造形のスピードが比較的早いことも挙げられるでしょう。

さらにこの方式で造形すると、造形物がカラーで出力できます。ただ、出力後の塗装が必要なくなる反面、造形物が非常にもろく崩れやすい傾向にあるため、扱う際は充分に注意しましょう。

積層ピッチが細かい=精度が高いわけではない

積層ピッチとは「造形時に積み上げられる一層あたり(Z軸方向)の厚み」のことです。一般的にピッチの細かさで表面の滑らかさと造形時間が決まります。

ピッチが細かいと表面が滑らかになり、逆にピッチが厚いと表面に積層痕が目立つようになる分、造形時間が短くなるのです。

よく造形物の精度を上げたいがために、積層ピッチの細かい機器が使われますが、実は積層ピッチは指標の一つでしかありません。確かにピッチが細かいほど、積層痕が目立たなくなり、精度は良くなっているように感じます。

ただ、造形物の各層XY方向の位置決めが本来の位置と異なてしまっていると、いくらピッチが細かくても、各層で微妙なズレが生じてしまいます。結果として積層痕も通常より目立ちやすくなってしまう可能性があるのです。

また積層ピッチが細かくなるほど造形にかかる時間は長くなるので、造形物に合わせた、最適な設定をすることが求められます。積層ピッチだけに捉われないことも覚えておきましょう。

素材で選ぶ

3Dプリンターで造形物を完成させるにあたり、素材(樹脂)選びは非常に重要となります。なぜなら使用する素材(樹脂)によって造形物の見え方や頑丈さなどが変わってくるためです。また使用する素材(樹脂)によって購入する3Dプリンターも変わってくるので、どのような素材(樹脂)でどんな造形物を造りたいのかイメージするようにしましょう。

PLA樹脂(ポリ乳酸)

PLA樹脂は、別名「ポリ乳酸」とも呼ばれており、トウモロコシやジャガイモなどに含まれるデンプンといった植物性成分由来のプラスチック素材です。後述するABS樹脂よりも扱いやすいのが特徴で、3Dプリンター初心者におすすめの樹脂です。

耐久性は他の素材と比べてやや劣りますが、サイズが大きい造形物や造形物の形状確認だけ行いたい場合に適しています。

ABS樹脂

ABS樹脂は数あるプラスチック素材の中で最も汎用性が高いのが特徴です。私達の身近にあるパソコン、プリンターといた電化製品はもちろん、住宅用建材や自動車にも使われており、ABS樹脂が使われていないプラスチック製品はないといっても過言ではないでしょう。またこのABS樹脂は造形後に塗装も可能で、衝撃に強いのもメリットです。

アクリル樹脂

アクリル樹脂は、3Dプリンターに使われる樹脂の中でも耐候性と透明性の高いのが特徴です。そのため建材や車両用途に使われることが多い傾向にあります。ただ表面の傷つきやすさも高いため、造形物によっては塗装が剥げてしまったりする可能性があるでしょう。フィギュアなどを造る時に向いています。

ポリプロピレン

ポリプロピレンは「耐熱温度が高い」「強度・柔軟性が高い」「安価に大量生産しやすい」といった理由から非常に多くの造形物に使われている素材です。代表的なものとしては、スマホのケースや電化製品のケースなどが挙げられるでしょう。ただ耐候性はあまり高くないため、外部への露出などにはあまり向いていません。また接着もしにくいため、造形に時間がかかってしまう可能性があります。

ナイロン樹脂

ナイロン樹脂は主に衣服の材料として使われている素材で、耐熱性や靭性(粘り強さ)に優れています。素材単価も比較的安価であるため、コストがかからないのが魅力です。自宅で使えるインテリアや、ちょっとしたデザインアイテムや小物を作るのに向いているでしょう。

石膏

石膏は、主に粉末積層方式で使われる素材で、素材が極めて安価なのが特徴です。粉末積層方式を用いれば、造形物をフルカラーで作成できるため、フィギュア作りや色をつけることでより鮮やかさが増す製品造りに向いているでしょう。

セラミック

セラミックは、歯のかぶせ物や詰め物に使われている素材です。もともとは無機物を加熱処理したときにできる焼結体のことを指します。特徴としては、光沢のある造形物を造れる点、耐熱性や防水力に長けているという点です。そのため食器やコップといった陶器を造るのに良いといえるでしょう。

以上のように、素材1つとっても特徴やメリット・デメリット、向いている製品などが異なります。もし造りたい作品が決まっているのであれば、どの素材で造るのが最適なのかを踏まえて3Dプリンターを選びましょう。

造形サイズで選ぶ

想像している造形物のサイズによって、選ぶ3Dプリンターが異なります。そのため、どれくらいの大きさの造形物を希望するのかを事前に決めておくことはとても重要です。機器によっては、小さな造形物しか造れないものもあるため注意しましょう。
一般的に、家庭用3Dプリンターは「140mm×140mm×140mm」サイズが最も流通されており、人気です。これを基準に造形サイズにあった3Dプリンターを選びましょう。

ただ大きいサイズは以下の様な弊害が出やすいと考えられているので、大きいサイズの造形物を希望する場合は、確認しておきましょう。

大きいサイズの造形物は、ゆがみ・反りが出やすい

一般的に極めて高度で精密な3Dプリンターでない限り、大きいサイズ造形物を造ろうとすると、途中でゆがみや反りが発生してしまいがちです。そのような場合は無理して1回で造ることはせず、パーツごとに造形物を分けて造るようにする手段も考えておいた方が良いでしょう。

造形サイズが大きい場合は出力に時間がかかる

サイズの大きい造形物を出力する場合は、出力時間がかかってしまう可能性があります。また、途中でフィレメントが切れてしまう恐れがあるので注意しましょう。

3Dプリンターの動作停止の危機

3Dプリンターが造形中に故障もしくは動作停止してしまうと、一から作り直すことになります。このときもし、大きいサイズの造形物を造ろうとしていた場合、素材に対するコストがほかのサイズの造形物よりも多くかかってしまいます。素材の種類によっても単価が異なるため、高単価の素材で大きいサイズの造形物を造る場合は、機器の事前点検や定期メンテナンスを怠らないようにしましょう。

3Dプリンターの機能性で選ぶ

上述したように、3Dプリンターは日々進化し続けているため、普及当初よりも多くの便利な機能が付くようになりました。さまざまな機能が付いている分、機器自体の価格は高くなりますが、造形段階の便利さは各段に異なります。以下に示す機能は、付いていると嬉しいものであるため、選ぶ際に確認しましょう。

操作モニターが機器についている

3Dプリンターに操作モニターがついていると、わざわざパソコンと直接つないで操作する必要がありません。またもしパソコン由来の不具合が出ても3Dプリンター自体にモニターがついてればそちらだけで動かせるので便利でしょう。

他社製のフィラメントが使える

フィラメントとは3Dプリンターにおける素材のことを指します。機器よっては生産元のフィラメントしか使用できないものもあり、その場合フィラメントに対するコスパが悪くなるといったデメリットが生じます。もしコスパを考えるのであれば、なるべく他社のフィラメントが使える製品を選んだ方が好ましいでしょう。必ず確認してください。

モデリングソフトの対応数

モデリングとは「3Dデータをつくること」を指し、3Dの造形物を造るのに必要不可欠な作業です。そのためにはモデリングソフトをインストールが必要なのですが、そのモデリングソフトには種類があり、無料のものもあります。できるだけ多くのモデリングソフトに対応している機器を選ぶことで操作性の幅も広がり造形物のクオリティも高くなるはずです。

オート・キャリブレーション

「オート・キャリブレーション」とは造形中に出力される台座をオートで水平に調節してくれる機能のことです。水平に調整することで3Dデータ通りの造形物が完成しやすくなります。自身で調整できるマニュアルタイプもありますが、初心者や便利さを重視したい場合は、自動的に調整してくれるオートタイプを選ぶようにしましょう。

マニュアルが日本語かどうか

3Dプリンターは海外製品であることが多いため、マニュアルも英語で記載されていることは少なくありません。そのため英語が理解できないといざというときにマニュアルを解読できない可能性があります。もし不安な人は、マニュアルが日本語で書かれている機器を選んでみると良いでしょう。

これらの機能が付いているかどうかで、造形物を完成させるまでの時間が変わってきます。機能がたくさん付いているほど価格にも影響は出ますが、長く使い続けることを踏まえれば、そこまで上述した機能はなるべく多く付けておいた方が良いでしょう。

価格帯で選ぶ

3Dプリンターを選ぶ場合は、自身の予算感にあった機器がしっかり自分の希望する造形物を造る条件を満たしているかどうかを確認する必要があるでしょう。
いまや3Dプリンターの価格帯は数万~数百万と幅が広いので、予算感の把握はしっかり行なっておいてください。

購入後のサポート体制の有無も確認!

機器の性能、素材、造形サイズと同様に大事なのは「購入後のメンテナンスやサポート体制の有無」です。これらも購入前にしっかり調べておくことが重要でしょう。

とくに高価な3Dプリンターを購入する予定の人は、必ず確認してください。メーカーによってサポート体制が全くない場合もあり、壊れても買い直しか自身で修理という結果になってしまいます。購入時、最寄りのスタッフに聞けばサポート体制の有無や内容まで説明してくれるはずなので、サポートはつけておいて損はありません。

日本3Dプリンター株式会社の3Dプリンタなら低価格なうえに高性能

日本3Dプリンター株式会社では、さまざまな3Dプリンタを用意しています。たとえば、業務用以上の高性能を誇るうえに低価格なRaise3Dであれば、積層ピッチ0.01〜0.65mmまで対応。大型の造形も安定して行え、複数種のフィラメントにも対応しています。また、弊社では取扱製品に関して、メーカー認証資格を持つプロのエンジニアが在籍し、導入後迅速かつ充実したサポートを提供しています。トラブルだけではなく、使用上のノウハウ問題の対応やパラメーター設定の問題も承っているのが日本3Dプリンター株式会社です。

3Dプリンター選びは多角的にかつ慎重に!

3Dプリンターは、機器と使用する素材によって造形物の総合的な質が異なるのが特徴です。そのため、3Dプリンターを選ぶときは「造形方式」「材質」「造形サイズ」「機能性」「価格帯」を中心に多角的に見て、慎重な判断をする必要があります。
まずは、どんな造形物を造りたいのか。これを考えてみることから始めてみましょう!

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