事業再構築補助金とは?
2021.11.19 更新日:2024.02.28
- 補助金
事業再構築補助金とは、新分野展開、事業・業種・業態転換、事業再編などといった、大胆な事業再構築に意欲的な中小企業を支援するための補助制度です。
この補助制度では、例えば3Dプリンターを活用した新分野展開や事業転換等も対象になる場合があります。
3Dプリンターを活用した「新たな製品を生み出し、新たな市場への販路を拡大する」といったことは、十分、新分野展開に該当するものです。
「これから3Dプリンターを活用し、新事業を行いたい」「3Dプリンターの活用により、事業転換を成功させたい」といった事業者の方は、知っておいて無駄のない制度であるはず。
ここでは、事業再構築補助金の基本情報や、申請方法などをご紹介しています。
事業再構築補助金とは
事業再構築補助金とは、中小企業等に対するコロナ渦に設立された支援制度です。
具体的には、新型コロナウイルス感染症の流行が長期化し、当面の需要や売上の回復が期待しづらい中、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済変化に対応するために、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援する補助金を支給することを指します。
事業再構築を通じて事業規模を拡大し、中小企業者等から中堅・大企業等に成長することや、中堅企業等が海外展開を強化し市場を拡大することで高い成長率を実現することは特に肝要であることから、これらを志向する企業をより一層強力にサポートする制度です。
新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、または事業再編といった大胆な事業再構築の後ろ盾となる制度であり、ここ最近で注目が高まってきています。
主要な申請要件
事業再構築補助金を申請するためには、これからご紹介する主な申請要件を満たしている必要があります。
各々の内容を詳しくご説明します。
売上が減少している
2020年4月以降の連続する6カ月のうち、任意の3カ月の合計売上高が、コロナ以前(2019年または2020年1月~3月)の同3カ月の合計売上高と比較して10%以上減少していることに加えて、2020年10月以降の連続する6カ月のうち、任意の3カ月の合計売上高が、コロナ以前(2019年または2020年1月~3月)の同3カ月の合計売上高と比較して5%以上減少していることが要件の一つに挙げられます。
ちなみに上記は売上高に代えて、付加価値額を用いることも可能です。
新分野などの展開
事業再構築指針(※)に沿った新分野展開、業態転換、事業・業種転換等を行うことも、要件の一つとして数えられます。新分野展開や事業転換などの定義を今一度ご確認いただくと安心でしょう。
※参照:事業再構築指針|経済産業省
https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/pdf/shishin.pdf
認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する
また、経済産業省が提示している事業再構築指針(※)に沿った3年~5年の事業計画書を人定経営革新等支援機関等と共同で策定する必要もあります。
ちなみに、補助金額が3,000万円を超える場合は、金融機関(銀行、信金、ファンド等)も参加して策定することが条件となっていますが、金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねる場合は、金融機関のみで構いません。
※参照:事業再構築指針|経済産業省
https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/pdf/shishin.pdf
対象者や補助金額
事業再構築補助の対象者や補助上限額は、以下のようになっています。
通常枠
通常枠で申請する事業者の方が多いかと思いますが、対象者や補助金額は以下の通りです。ただし、通常枠に該当しない場合は、次項からご紹介する複数の枠から該当の枠にて申請する必要があります。
中小企業者等、中堅企業等ともに
【従業員数20人以下】100万円~4,000万円
【従業員数21~50人】100万円~6,000万円
【業員数51人以上】100万円~8,000万円
大規模賃金引上枠
大規模賃金引上枠とは、一定の賃金を引上げた101名以上を雇用する中小企業・中堅企業が対象です。
中小企業者等、中堅企業等ともに、
【従業員数101人以上】8,000万円超~1億円
卒業枠
卒業枠の申請は、400社限定となります。事業計画期間内に、組織再編・新規設備投資・グローバル展開のいずれかにより、資本金または従業員を増やし、中小企業から中堅企業へ成長する事業者向けの枠です。
補助金額は、
中小企業者等:6,000万円超 ~1億円
グローバルV字回復枠
グローバルV時回復枠は、100社限定の申請となります。
- 2020年10月以降の連続する6カ月のうち、任意の3カ月の合計売上高がコロナ以前の同3カ月の合計売上高と比較して15%以上減少している中堅企業
- 補助事業終了後3年~5年で付加価値額または従業員一人あたり付加価値額の年率5.0%以上増加達成を見込む事業計画を策定する
- グローバル展開を果たす事業である
上記3つをすべて満たす中堅企業向けの枠です。
補助金額は、
中堅企業等:8,000万円超 ~1億円
緊急事態宣言特別枠
緊急事態宣言特別枠とは、令和3年の国による緊急事態宣言(新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24年法律第31号)第32条第1項の規定に基づき、令和3年に発出されたものを指す)に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等により影響を受けた事業者を対象とした枠です。
中小企業者等、中堅企業等ともに、
【従業員数5人以下】 100 万円 ~ 500 万円
【従業員数6~20 人】100 万円 ~ 1,000 万円
【従業員数21人以上】100万円 ~ 1,500万円
最低賃金枠
最低賃金枠とは、通常枠の要件に加え、2020年4月以降のいずれかの月の売上高が対前年または対前々年比で30%以上減少していることに加えて、最低賃金傍で雇用している従業員が一定割合以上の事業者について、補助率を3/4に引き上げ、ほかの枠に比べて採択率を優遇するものです。
中小企業者等、中堅企業等ともに、
【従業員数5人以下】 100 万円 ~ 500 万円
【従業員数6~20 人】100 万円 ~ 1,000 万円
【従業員数21人以上】100万円 ~ 1,500万円
補助率
事業再構築補助金の補助率は、各枠で以下のように制定されています。
【通常枠】
中小企業者等 2/3 (6,000万円を超える部分は1/2)
中堅企業等 1/2 (4,000万円を超える部分は1/3)
【大規模賃金引上枠】
中小企業者等 2/3 (6,000万円を超える部分は1/2)
中堅企業等 1/2 (4,000万円を超える部分は1/3)
【卒業枠】
中小企業者等 2/3
【グローバルV字回復】
中堅企業等 1/2
【緊急事態宣言特別枠】
中小企業者等 3/4
中堅企業等 2/3
【最低賃金枠】
中小企業者等 3/4
中堅企業等 2/3
補助対象経費
事業再構築補助金は、本事業の対象として明確に区分できるものである必要があります。
具体的には、
- 建物費
- 機械装置・システム構築費
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
- 広告宣伝・販売促進費
- 研修費
- 海外旅費
などが該当します。
申請に必要な書類
事業再構築補助金を申請するためには、以下の書類を用意する必要があります。
いずれも漏れがあると補助金を受け取れないため、漏れのないよう、ダブルチェックなどを行うと良いでしょう。
・事業計画書
・認定経営革新等支援機関・金融機関による確認書
・コロナ以前と比較して売上高が減少したことを示す書類
①2020年10月以降の連続する6カ月のうち、任意の3カ月の合計売上高が確認できる書類
②2020年10月以降の連続する6カ月のうち、コロナ以前の同3カ月の合計売上高が確認できる書類
・決算書
①直近2年間の貸借対照表
②損益計算書(特定非営利活動法人の場合は活動計算書)
③製造原価報告書
④販売管理費明細
⑤個別注記表
など。
・ミラサポplus「電子申請サポート」の事業財務情報
・海外事業の準備状況を示す書類
※卒業枠(グローバル展開を実施する場合に限る)およびグローバルV時回復枠のみ
・2021年1月~6月にいずれかの月の固定費(家賃+人件費+光熱費等)が同期間に受給した協力金の額を上回ることを証明する書類
・審査における加点を希望する場合は追加書類が必要
①令和3年の国による緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等により影響を受け、2021年1月~6月のいずれかの月の売上高が対前年もしくは前々年の同月比で30%以上減少していることを証明する書類
②2021年1月~6月のいずれかの月の固定費(家賃+人件費+光熱費等の固定契約料)が同期間に受給した協力金の額を上回ることを証明する書類
③経済産業省が行うEBPMの組織に対する協力
など。
申請の手順
ここまで、主要な申請要件や必要書類について触れてきましたが、肝心の申請方法がわからないという方もいらっしゃることでしょう。
申請方法は以下の5ステップで行うことができます。
1.GビズIDプライムの取得
事業再構築補助金の申請には、「GビズIDプライム」(※)の取得が必須となっています。
申請前に必ず取得するようにしてください。
※参照:gBizIDへようこそ。|gBizID
https://gbiz-id.go.jp/top/
2.事業再構築や事業計画作成方法の理解
補助金を受け取る事業が、事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であることが必要です。取り組み予定の事業がそれに該当するかを、事業再構築指針(※)を参照し、事前に確認してください。
こちらの理解を深めた後、申請者ご自身で作成した事業計画に基づき、事業計画の作成相談を行います。
※参照:事業再構築指針|経済産業省
https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/pdf/shishin.pdf
3.相談予約
相談は、本部中小企業相談センターおよびビジネスサポートデスクにて受け付けています。本部中小企業相談センターで相談予約をする場合は、東京商工会議所の公式ホームページ(※)より行うことができます。
※参照:事業再構築の挑戦を支援する補助金を活用したい|東京商工会議所
https://www.tokyo-cci.or.jp/jigyousaikouchiku/
4.確認書の発行
複数回の相談を通して、事業計画に対して確認書を発行できると判断された場合、「認定経営革新等支援機関としての文書発行依頼書」を受け取ることができます。
依頼書や事業計画等の書類を東京商工会議所に預けてから、おおむね5営業日を目途に確認書を受け取ることが可能です。
5.電子申請
事業再構築補助金の申請は、電子申請システムでのみの受け付けになっています。入力情報については、必ず申請者自身がその内容を理解し、確認の上、申請してください。
※代理申請などの制度はないため、申請者本人が申請を行ってください。
※採択後に申請者が行う実績報告や年次報告などへの東京商工会議所のフォローについては、事業者の要望内容によっては有償となる場合があります。
日本3Dプリンターにご相談ください!
日本3Dプリンター株式会社は、3Dプリンターを活用した新分野展開や業態転換等の提案実績が多数ございます。事業再構築補助金の申請について専門的な知識を持つ中小企業診断士等とのパイプもございますので、補助金の申請をお考えの方は、ぜひ日本3Dプリンター株式会社にご相談ください。