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3Dプリンターの粉末床溶融結合とは?

2022.06.21 更新日:2022.06.21

昨今、ものづくりの現場を中心に広く普及している3Dプリンターには、さまざまな造形方法があります。
代表的なものに熱溶解積層法や光造形などがあり、これらの仕組みについてはご存知の方も多いでしょう。
もちろん、3Dプリンターの造形方法は他にもあり、中には頻繁に耳にしないような「粉末床溶融結合」といったものも存在します。

本記事では、その「粉末床溶融結合」に焦点を当て、粉末床溶融結合の造形方法や、粉末床溶融結合に使える材料を樹脂と金属に分けて詳しく解説します。

3Dプリンターの造形方法について理解を深めたい方は、ぜひ参考になさってください。

粉末床溶融結合とは

粉末床溶融結合とは

粉末床溶融結合とは、敷き詰めた粉末を表面にし、レーザーや電子ビームを選択的に照射して断面形状部分だけを溶かして固める造形方式です。

1層分を硬化させてから造形テーブルを下げて次の層の粉末材料を供給するというプロセスです。

金属3Dプリンターでよく採用される方式

粉末床溶融結合は、金属材料を造形できる3Dプリンターで採用されることが多いです。
光源としてはレーザーを使うタイプと、電子ビームを使うタイプとに大きく分かれます。
レーザーにはファイバーレーザーやTdレーザーなどが使われ、光造形と同じようにガルバノミラーで照射焼結する仕組みです。

一方、電子ビームは、加熱した電極から放出された電子に電圧をかけて加速し電磁コイルで集束させる方法で、電磁コイルの制御によって照射焼結します。

粉末床溶融結合に使える材料

粉末床溶融結合の造形方法では主に金属が使われることが多いですが、熱可塑性樹脂の粉末が用いられることもあります。

以下で主な造形材料について解説します。

樹脂粉末

まずは粉末樹脂から詳しく解説していきます。
粉末床溶融結合で使用される一般的な熱可塑性樹脂粉末には、「PA」「フィラー入り強化樹脂粉末」「PP」「PS」などが挙げられるため、各々ご確認ください。

PA

PAの中でも「PA12」は特に粉末床溶融結合に使われるもので、強度、靭性、耐摩耗性に優れ、柔軟性があります。
「PA11」もこの方式で多く用いられる材料で、「PA12」よりも柔軟性が高く、ヒンジ形状などのより大きな変形が必要な部品に適しているのです。

フィラー入り強化樹脂粉末

フィラー入り強化樹脂粉末とは、PAにガラスビーズやウィスカーを含ませて強化した材料で、高強度、高耐熱を実現しています。

PP

PPは「ポリプロピレン」のことで、柔軟で強度が高く、折り曲げなどに対する耐性が強いことで知られています。耐薬品性にも優れており、酸やアルカリ、油などにも対応可能です。

PS

PSは「ポリスチレン」のことで、溶融粘度が低く、溶融時の熱安定性が良い材料です。
軟化温度が低く連続耐熱温度は一般的に60~80℃とされています。
PSで造形されたモデルは多孔質になることが一般的です。

金属粉末

粉末床溶融結合で用いられる主な金属粉末には「マルエージング銅」「ステンレス銅」「ニッケル合金」「チタン」「アルミニウム」「コバルトクロムモリブデン合金」「金合金」「プラチナ基金属ガラス」「セラミック粉末」「砂」などが挙げられます。

各々詳しく解説します。

マルエージング銅

マルエージング銅の代表的な組成は、18%のニッケルの他、アルミニウム、チタン、モリブデン、コバルトなどの合金元素を添加したものです。
通常の銅ではあえて2%以下の炭素を含ませて強化を試みますが、マルエージング銅では炭素含有量を極力少なくしている点が特徴と言えます。

この材料は時効硬化によって高度が増すため、主に金型造形材料などに使われている材料です。

ステンレス鋼

ステンレス鋼とは、鉄に10.5%以上のクロムを添加し、錆びにくくしたものを指します。
ステンレス鋼は鋼材のJIS規格だけでも100種類以上存在し、さらに各社が開発した独自鋼もあるため、用途によって使い分けられています。
粉末床溶融結合の造形材料としては、「SUS」や「316L」などが主流です。

ニッケル合金

ニッケル合金はNi-Cr-Fe系の合金で、加工材料などに使われる耐熱、耐食合金です。
粉末床溶融結合で主に使われるニッケル合金は「インコネル718」などが主流になっています。
従来、ニッケル合金は硬い材料として利用されていましたが、粉末床溶融結合で造形された硬度はHRCで平均30です。
そのため、従来のインコネル相当の硬度が必要な場合は熱処理を要します。

チタン

チタンは非鉄金属の中では比較的新しく実用化された素材で、近年急速に利用が広まっています。
チタンは耐食性、耐熱性に優れており、耐食性については特に耐海水性が強く、海水での使用が想定された部品などに使われることが多いです。

粉末床溶融結合においては、純チタン、チタン64、チタンアルミ合金が主流になっています。

アルミニウム

アルミニウムは、非鉄金属の代表的な材料の一つです。
アルミニウムは軽量である他、加工性、耐食性、無毒性などに優れている材料として普及しています。
粉末床溶融結合の材料として、純アルミニウムは用いることができないため、シリコン系アルミニウム合金が主流です。

コバルトクロムモリブデン合金

コバルトクロムモリブデン合金は、機械的強度のバランスが良い3種類の金属の機械的性質が現れている材料です。

コバルトは耐摩耗性、耐食性に優れ、クロムは光沢性に優れ、モリブデンは耐熱性、寸法安定性に優れています。
この素材は耐久性があり摩耗や変形に強いため、粉末床溶融結合の造形材料としたコバルトクロムモリブデン合金は歯科などの分野で需要が見込まれているのです。

金合金

金合金は、金(約75%)に銀(約12%もしくは4.5%)と亜鉛合金を混ぜたものです。
従来の造形方法で製造できなかった複雑で緻密な宝飾品などへの応用が見込まれています。

プラチナ基金属ガラス

プラチナ基金属ガラスは高強度、高硬度、低弾性率、耐摩耗性、耐食性など多くの特性を持っています。
耐食性が求められる医療業界、耐熱性が求められる自動車業界などの特殊部品への応用が見込まれている材料です。

粉末床溶融結合方式に対応した3Dプリンター選びなら、日本3Dプリンター株式会社にお任せください!

本記事では、3Dプリンターの造形方式の一つである粉末床溶融結合方式の仕組みと、それに使える材料について解説しました。
使用できる材料が多いため、材料選びに迷ってしまう方もいらっしゃるかもしれませんし、そもそも粉末床溶融結合方式に対応した3Dプリンターがどれか判断つかないという方も、中にはいらっしゃるかもしれません。

日本3Dプリンター株式会社では、粉末床溶融結合方式に対応した3Dプリンターのご案内はもちろん、目的とされる造形物と用途に応じた材料をご提案することも可能です。

粉末床溶融結合方式による造形をお考えの方は、ぜひ日本3Dプリンター株式会社にご相談ください。
世界トップメーカーの3Dプリンターを実際に複数使用した経験から、貴社の課題解決をサポートいたします。

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