日本3Dプリンター株式会社

コラム

金属3Dプリンターの基礎知識 造形方式やメリット・デメリットについて徹底解説

2021.01.25

ここ数年、金属加工の業界では、金属3Dプリンターが注目を集めています。


金属3Dプリンターの技術は、まだまだ発展途上と言われていますが、さまざまな改良が重ねられ、より造形精度の高い製品や従来価格の半分以下で導入できる製品なども登場。


どんどん費用対効果が高まっているため、これまでなかなか金属3Dプリンターに手が出せなかった企業も導入しやすくなっています。
この記事では、金属3Dプリンターに興味をお持ちの方へ向けて、金属3Dプリンターの基礎知識をご紹介していきます。

金属3Dプリンターの造形方式

一口に金属3Dプリンターと言っても、さまざまなタイプがあります。ここでは、代表的な造形方式2つと現在注目を集めている造形方式2つをピックアップしてご紹介します。

(1)パウダーベッド方式

2020年j時点で、金属3Dプリンターで最も採用されているのが、パウダーベッド方式です。

パウダーベッド方式とは、金属粉末を敷き詰めたところにレーザービームや電子ビームを照射し、造形部分の金属のみを溶かして固めていく造形方式です。レーザービームを使用する方式を、「SLM方式」や「SLS方式」と呼ぶこともあります。

パウダーベッド方式のメリットは、造形精度が高いこと。造形方式のメリットではないですが、パウダーベット方式の金属3Dプリンターは多くのメーカーがリリースしているため、製品の選択肢が多いというのもメリットの一つです。

一方、デメリットとしては、金属粉末を一層敷き詰めて、レーザービームや電子ビームを照射してという動作を繰り返すため、造形に時間がかかります。また完成時には、造形物の周囲に使用されなかった金属粉末が付着しているため、それを取り除く手間もかかります。この造形に使用されなかった金属粉末は再利用が可能です。

(2)メタルデポジッション方式

メタルデポジッション方式も、金属3Dプリンターの代表的な造形方式の1つです。指向性エネルギー堆積法と呼ぶこともあります。
メタルデポジッション方式とは、金属粉末の噴射とレーザービームの照射を同時に行い、造形部分に溶けた金属を積層、凝固させていく造形方式です。

メタルデポジッション方式のメリットは、パウダーベッド方式よりも造形スピードが速く、金属粉末の除去作業も必要ないこと。さらに、一から造形するだけでなく、レーザークラッディングという、摩耗部分を肉盛り修復する加工もできます

一方、デメリットは、パウダーベッド方式よりも造形できる形状に制限があり、造形精度も劣ることです。

(3)ADAM方式

Markforged社の金属3Dプリンター「Metal X」で採用されているのが、ADAM方式です。

ADAM方式では、樹脂を使用する通常の3Dプリンターで用いられているのと同じFDM方式で、材料を押し出して積層していきます。
FDM方式の3Dプリンターと異なる点は、まず材料。ADAM方式の金属3Dプリンターでは、熱を加えることで柔らかくなる熱可塑性樹脂に、金属粉末を混ぜたものを使用します。
そして、FDM方式の3Dプリンターの場合は、造形が終わると完成ですが、ADAM方式の金属3Dプリンターの場合は、完成までにさらにいくつかの工程が必要です。

熱可塑性樹脂は、金属粉末を接合する役割を持つバインダーなので、造形物からこれを取り除く脱脂と呼ばれる作業を行います。
その後、造形物を炉に入れて焼結させることで、初めて完成した金属部品になるのです。焼結する際に造形物が収縮するため、ADAM方式の金属3Dプリンターでは、完成寸法よりも大きく造形されます。

ADAM方式のメリットは、高強度/高密度で精度も高い金属部品を、従来の金属3Dプリンターよりも大幅に短い時間で造形できること。また金属粉末が飛び散ることがないため、粉塵爆発の心配がなく、より安全に造形することができます

そして、ADAM方式の最大のメリットは、導入費用が、従来の金属3Dプリンターの10分の1程度に抑えられることです。これまで導入コストの問題でなかなか金属3Dプリンターに手が出せなかった企業も、導入を検討することができるでしょう。

デメリットを挙げるとすれば、脱脂や焼結の工程が必要なため、完成までにやや手間がかかるという点です。

(4)バインダージェット方式

バインダージェット方式は、ADAM方式と共に現在注目を集めている方式の一つです。

金属粉末を敷き詰めたところに液体のバインダーを噴射し、金属粉末を固めていく造形方式で、パウダーベッド方式のレーザービームや電子ビームを、液体のバインダーにしたものと考えていただくとわかりやすいと思います。

バインダーを噴射するので、金属3Dプリンターの造形だけでは完成品にならず、ADAM方式と同じように、脱脂、焼結の工程を経てようやく完成した金属部品になります。

バインダージェット方式のメリットは、造形スピードが速いこと。また敷き詰めた金属粉末が上の層を支えてくれるため、サポート材が不要で、複雑な形状の造形も可能です。

一方、デメリットは、ADAM方式と同じく、脱脂や焼結の工程が必要でやや手間がかかるという点でしょう。

金属3Dプリンターのメリット

従来の金属加工技術と比較して、金属3Dプリンターには大きく3つのメリットがあります。

(1)形状の自由度が高い

金属3Dプリンターの一番のメリットは、造形できる金属部品の形状の自由度が高いこと。

成形加工や切削加工、接合加工では難しい、複雑な形状の金属部品も造形することができます。従来の金属加工技術では製造費用が高額になってしまうような形状も、金属3Dプリンターなら、ほぼ材料費のみの低コストで造形可能です。

また、これまでは複数のパーツから組み立てていたものを、組み立て後の状態で造形し、組立工程を無くすということもできます。
さらに、3Dプリンター用のデータを変更するだけで形状の変更が可能なため、ほとんど追加コスト無しで自由に形状を変更できるというのも大きなメリットです。

(2)1アイテム1個から手軽に造形できる

従来の金属加工技術の場合、アイテムごとに金型を作ったり、製造工具を用意したりする必要があるため、1アイテム増やすだけでもそれなりの開発コストと時間がかかっていました。

その点金属3Dプリンターの場合、3Dプリンター用のデータを用意するだけで新しいアイテムを造形できるため、開発コストをほとんどかけずに、簡単にアイテム数を増やすことが可能です。

かかるのは基本的に材料費のみなので、1個しか造形しない場合でも、たくさん造形する場合でも、1個当たりの製造コストはほとんど変わりません。

また、成形加工や切削加工では、切断されたり、削られたりした分の材料が無駄になってしまいますが、金属3Dプリンターの場合は、造形物の積層分のみの材料でよいため、材料費を抑えることもできます。

(3)試作品製作や開発のハードルが下がる

1つ上の項目と少し重なる部分もありますが、 金属3Dプリンターの場合は、3Dプリンター用のデータをひとたび用意すると、データを修正するだけで改良を重ねることができ、試作の作成と修正の往復が比較的簡単にできます。失敗や、やり直しの費用が低く抑えられるのも大事な点です。

コストも時間も抑えられるため、試作品制作のハードルがぐっと下がり、新たな金属部品の開発を気軽に行うことが可能です。
金属3Dプリンターで造形する金属部品の開発はもちろんですが、従来の金属加工技術で製造する金属部品の開発にも、金属3Dプリンターは役立ちます。

金属3Dプリンターで金型の試作品を作ったり、プロトタイプを作ってそこから型を取ったり、必要な製造工具を作ることも。もちろん、データを修正するだけですぐに改良が可能です。

このように、金属3Dプリンターを使えば、新規開発や従来品の改良をもっと簡単に、たくさん行うことができるのです。

金属3Dプリンターのデメリット

金属3Dプリンターの技術はまだまだ発展途上であるため、デメリットも目立ちやすいの事実です。

(1)造形方式に合わせた知識が必要となる

一口に金属3Dプリンターといっても、強みが異なるため、出来上がるものにも違いが出てきます。
造形方式に合わせたデザインや設定の仕方を認識しておかないと導入後に造形の失敗の連続ということも少なくはありません。

(2)実用的なアプリケーションが少ない

導入されている業界や企業数は少ないのが現状で、どの用途も限定的です。
試作といったところの域を大きく逸脱できず、現場に近い用途はまだまだ少ないので、「機械は良くても、何につかったら良いのだろう」と思う方も多くいるかもしれません。

(3)費用対効果が見出しづらい

上記(2)に関連することでもありますが、何に使ったら良いかわからないため、何をもって投資回収ができているのか予測が立てづらいといったことがあります。

金属3Dプリンターが向いていること

ここまでご紹介したメリットやデメリットを踏まえて、金属3Dプリンターは、どのようなシーンでの利用に向いているのかをご紹介していきます。

(1)複雑な形状の金属部品の製造

金属3Dプリンターは、従来の金属加工技術では製造するのが難しかったり、製造費用が高額になってしまったりする複雑な形状の金属部品の製造にぴったり。金属3Dプリンターは、サポート材不要の造形方式もあり、普通の3Dプリンターよりも複雑な形状の造形が可能です。

(2)生産個数が少ないアイテムの製造

金属3Dプリンターで造形する場合、個数によるコストの変化がほとんどありません。そのため、受注生産のアイテムや、既に製造終了している部品の造形、試作品制作など、1個単位や小ロットの製造に向いています

(3)金型や製造工具の造形

金属3Dプリンターのメリットでもお伝えした通り、従来の金属加工で使用する金型や工具の造形にも向いています。万が一破損してしまっても、3Dプリンター用のデータさえあれば、すぐに新しいものを用意することができるのも◎
金型や製造工具が金属3Dプリンターでできていれば、製品を改良するのも簡単です。

(4)金属部品の軽量化

従来の金属加工技術とは異なり、金属3Dプリンターでは、造形物の必要な場所に必要な分の材料を積層して造形していくため、一つの造形物の中でも、場所によって厚みや密度を変更することができます。

強度が必要な部分は高密度で分厚くし、その他の場所は、充填率を調整して密度を低くすれば、強度を保ったまま、パーツを軽量化することが可能です。

初めて金属3Dプリンターを導入するならMarkforged社の「Metal X」がおすすめ!

Markforged社の「Metal X」は、現在注目を集めているADAM方式の金属3Dプリンターです。

導入コストは、なんと従来の金属3Dプリンターの10分の1程度! これまで、高額な導入費用のために金属3Dプリンターに手が出せなかった企業も、導入を検討できる価格です。

また費用対効果も高く、複雑な形状になればなるほど、コスト削減率が上がるのも嬉しいポイント。造形する金属部品によっては、従来の金属加工技術と比較して、95%以上の製造コスト削減効果を見込めるものもあります。
安全性や造形精度なども向上しており、初めての金属3Dプリンター導入にぴったりの製品です。

Markforged社の「Metal X」に興味をお持ちの方は、ぜひ、お気軽に日本3Dプリンター株式会社にご連絡ください。様々な金属3Dプリンターに精通したエキスパートが、お客さまの課題やニーズに合わせて「Metal X」を中心としたトータルソリューションをご提案いたします。
「Metal X」のデモンストレーションやMarkforged社のスライスソフト「Eiger(https://www.eiger.io/register?mfv=Nihon%203DPrinter%20Co.%20Ltd)」のお試し利用 も可能です。

PAGETOP