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樹脂型の造形コストを Farsoon Flight®テクノロジーで 97%削減

2023.01.18 更新日:2024.02.21

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積層造形技術を活⽤し、製造コストを削減/効率化

パルプモールドは、古紙を配合した板紙や新聞紙を原料としており、その耐圧縮性、耐衝撃性、輸送・保管時の断熱性など、優れた保護性能から幅広いジャンルの製品の包装に使⽤されています。
現在、環境意識の⾼まりにより発泡ポリスチレン(EPS)、真空成型ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、段ボール、発泡体に代わるサステナブルなパルプモールド緩衝材のニーズが⾼まっています。

Future Market Insightsによるレポート「Molded Fiber Pulp Packaging
Market 2021」によると、パルプモールド緩衝材の世界需要は総量300万トンに達し、2021年には販売収益で77億⽶ドルを超えると推定されています。
またパンデミックの進⾏により、成形繊維製品の需要は消費者製品、電⼦機器、ヘルスケア分野で継続して成⻑し、今後の10年間の全体的なCAGRは5.1%となる⾒込みです。

チャレンジ

パルプモールドは、原料となるパルプ繊維と⽔を混ぜたスラリーに賦形型を⼊れ、真空圧をかけることで表⾯にパルプ繊維を積層させて製造します。
製造⼯程の最後で賦形型にプレス型を被せて圧⼒をかけることにより⽔分を取り除き、型どおりの形状の製品が完成します。

従来の機械加⼯で作られた型(左)と成形 されたパルプモールド製品(右) 画像提供:ERI Packaging

従来の機械加⼯で作られた型(左)と成形 されたパルプモールド製品(右) 画像提供:ERI Packaging

複雑な製作⼯程:

パルプモールド成型⼯程は、迅速で低コストかつ⾃動化されていますが、従来の型の製作そのものは、依然として⾼価で時間と⼿間のかかる仕事です。
モールド技術者は、賦形型とプレス型を所定の形状に精密に加⼯し、型本体全体に⽳をあけます。さらに、パルプモールドの成形品を均⼀な厚さに仕上げるために⼿作業で型の隙間を厳密に調整する必要があります。
この⼿作業には⾼度な技術的経験が求められるので、より複雑な型設計になると品質管理が⼤きな課題となってきます。

コスト管理:

中規模の型⼀式の製作には上級技術者でも最低3⽇から1週間かかり、型の費⽤は⼀式1万ドルから4万ドルにもなります。
この製作コストは設計や試作の繰り返しにも必要になり、その繰り返しに応じて増⼤します。
また、限定品やカスタマイズ品の需要が⾼まる中、少量⽣産では⽬標価格を実現することは難しいと⾔えます。

解決⽅法

従来の製造プロセスには限界がありますが、新しい製品開発は⽇々増加しています。レーザー粉末床溶融結合法による3Dプリンターを使ったモールド製作は、これを解決する新たな⽅法で、著しく拡⼤するマーケットへ対応する戦略として浮上しています。
このような⾼度な技術を活⽤することは、製造⼯程におけるトタルなコストとエネルギー消費量の削減に役⽴つだけでなく、調達期間の⼤幅な短縮も可能にします。

広東省東莞市にあるERI Packagingは、繊維成形品の受注⽣産に特化した⼤⼿メーカーです。
この受注⽣産でのキーポイントは、特に少量⽣産の場合に、型の設計製作にかかる時間と⼈件費を削減できて、かつ信頼性の⾼い新しい⽣産ツールを⾒つけることです。
また、ニッチな市場を開拓するためには、製造品質も最⾼⽔準にする必要があります。

2021年初頭より、ERI Packagingの設計チームは、Farsoon Flight® “Fiber Laser” テクノロジーの評価プロセスを、研究開発および製造の両フェーズで開始しました。ベンチマークとして、型本体、賦形型、スクリーン型を含む電気製品のパッケージングのためのモールドフルセットが選ばれました。

Farsoon Flight®テクノロジーによって製造された微細なディテール特徴を持つパルプモールドの多孔質スクリーンモジュール。

Farsoon Flight®テクノロジーによって製造された微細なディテール特徴を持つパルプモールドの多孔質スクリーンモジュール。画像提供:ERI Packaging

Flight® テクノロジーの堅牢なファイバーレーザーシステムでは、レーザー出⼒が⼤幅に向上し、レーザースポット径も⼩さいため、他のプラスチック粉末を使⽤する技術と⽐較して、0.3 mm (0.012inch) という微細な形状を実現することが可能です。
標準的なレーザー焼結の部品特性の利点を達成しながらも、均⼀で⾼い仕上げ⾯の品質を実現することができます。

これにより、ポーラススクリーンモジュールの精度が向上するだけでなく、型本体表⾯の後処理の追加が不要になります。
また、Farsoon社製装置では設計形状を⾃由に設定することができます。ERIの設計チームは、モジュール間のオフセットの微調整、⽳サイズや空隙率の設計など、図⾯通りに型を製作することができました。
この結果、細部の形状、表⾯品質、型のはめあい精度の向上により、スラリーが均⼀に広がり、よりきれいな繊維パルプ成形品を製造することができます。

Farsoon Flight®テクノロジー 403P プロダクションシステム

Farsoon Flight®テクノロジー 403P プロダクションシステム 画像提供:Farsoon Technologies

結果

設計⼯程の時間短縮:

3Dプリントによって柔軟な設計が可能となりました。
ERIの設計チームは、⽤途に合わせて複雑な構造にしたり、⾃由に孔を開けたり、様々なパッケージングのためのソリューションを提供することができ、さらには追加のツールや3つの別々の型製造プロセスを必要とせずに、Flight® HT403Pシステムでオールインワンの試作品を迅速に製造することができます。
そして、ERI のエンジニアは複数のプロトタイプを製品上で検証し、形状、フィッティング、機能性など必要な調整を迅速に⾏うことができます。

⽣産歩留まりの向上:

ERIのチームによると、従来は各製品のCNCと型の開発に3〜7⽇かかっていましたが、Farsoonの超⾼速なFlight®テクノロジーにより、わずか1⽇で4セットの型を製作できるようになり、⽣産率が従来⽐で12倍以上と⼤幅に改善されました。

最⾼の効率:

Farsoon Flight®技術によるモールド成形は、少量でも低コストで⽣産できます。例えば、ERIは電⼦機器梱包材の型製作において、材料、機械時間、労働⼒を含め、従来の型と⽐較して97%のコストを削減しました。

⼯業製品としての品質:

ファイバーモールドは、レーザー焼結による⾼品質なFarsoon FS3300PA-F(PA1212エンジニアリングマテリアル)を使⽤し、成型時のせん断応⼒に耐える⾼い靭性と耐摩耗性を持ち、バランスのとれた機械特性を有しています。

Farsoon Flight® テクノロジーが製作した生産可能なファイバーモールドセット

Farsoon Flight® テクノロジーが製作した生産可能なファイバーモールドセット。画像提供:ERI Packaging

ERI Packaging は、Farsoon Flight®テクノロジーが将来の製品開発でさらなるメリットをもたらしてくれると考えています。

「レーザー焼結技術による型製作は、当社の従来のモールド製造プロセスに完璧かつ容易に統合することができます。私たちは、最終的なモールド製作で⻑く顧客を⻑く待たせることもなく、また⼿付⾦の⽀払いも必要なく、積層造形プロセスでニーズに迅速に対応することができるようになりました。この完璧な製造ツールを⼿に、私たちはモールド成形の設計と製造において、柔軟性、⽣産性、収益性を次のレベルに引き上げることを楽しみにしています。」

 

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